IPSJ情報処理カタログ #ジョーショリ

用語集

実世界データ

じっせかいでーたReal-World Data

概 要

実世界データとは、センサーなどを駆使して現実世界の多様なデータをデジタル化し集めたデータ。多くはビッグデータとして扱われ、社会や生活をより良く便利にするために活用される。

解 説

コンピュータによるデータ解析はさまざまな分野で役に立っています。最も身近な例では天気予報が挙げられるでしょうか。またビジネス分野においてもさまざまな予測分析にコンピュータが用いられています。ただ、それでも私たちの生活全体から見れば極一部で活用されているに過ぎません。

さらに広い範囲でコンピュータを活用するためには、それだけさまざまな現実世界のデータが必要になるでしょう。現在はIoT技術などの研究開発が進み、現実世界のさまざまなデータを収集するための手立てが出来上がりつつあります。こうして集められたデータを実世界データと言います。

そして実世界データは集めただけでは意味がありません。それを大規模データ処理技術などでデータ解析と知識化を行い、新たな情報や価値を生み出して現実世界にフィードバックすることで、産業の発展や社会問題の解決に繋げる必要があります。このデータ取得からフィードバックまでの一連の循環を「サイバーフィジカルシステム」(CPS)と言い、近年注目を集めています。

また、そのような大仰なものでなくとも、たとえば1つのセンサーで現実世界のデータ(映像、音、気温、加速度など何でも)を取得し、それがコンピュータで処理できるものであるならば、それも実世界データになります。

実現できること

  • ・製造業の効率化。工場をIoT化することで得られるさまざまな実世界データを用いて生産効率向上を図ります。
  • ・健康管理。自身の体調データも立派な実世界データ。体調データを収集蓄積することで健康管理に役立てます。
  • ・環境問題の解決。実世界データによりさまざまな分野で最適化が進めば、水、食料、地球温暖化などさまざまな環境問題を解決する助力になるでしょう。
  • ・自動運転技術。自動運転は自動車のセンサーから得られる実世界データを基に制御されます。また走行中の全自動車のデータが集まれば交通状況を正確に把握でき、自動ルート探索に役立ちます。
  • ・災害シミュレーション。街中の人流や道路状況等、事細かな実世界データが揃えば、「もし今すぐ災害が起きた場合」といった精度の高いシミュレーションができます。

将来の展開

実世界データの活用が進むと、これまで経験や勘で判断してきた物事もデータにもとづいて解決できるようになります。結果として産業発展や、私たちの生活が豊かになる方向へ向かうことが期待されます。

そして究極の実世界データ運用としては、コンピュータの世界(サイバー空間)に現実世界を丸ごと再現して、課題解決に向けた施策をシミュレーションすることが考えられます。これを「デジタルツイン」と呼び、現在は産業方面での活用が考えられている段階ですが、あらゆる実世界データの収集が可能になった暁には、サイバー空間にもう1つの世界が誕生するかもしれません。

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